新婚旅行はホノルル→シカゴ→ニューヨーク→ロンドン→パリ→ヴェネツィア→アテネ→香港の世界一周東回りをストリートビューで堪能した中塚です。
突然ですが僕たちが普段見慣れている世界地図は「メルカトル図法の世界地図」といって、高緯度の地域が実際よりも大きく見えちゃってます。
それもそのはずで、本来丸い世界を無理矢理四角に描いているので、上下がデレっとなり真ん中がキュっとなってるんですね。
例えば北アメリカ大陸を見てください。
まるで特大ポンパドールリーゼントヤンキーもしくはストツーのガイルのような形をしていますが、実際はあそこまでリーゼント大きくないですから。
実際のサイズ感としては、メキシコ湾に手をかけてグッと掴んで聖火ランナーみたく持ちあげたとしてもバランスよく走れそうなサイズ感ですから。
反対に赤道に近いほど小さくディスプレーされていて、例えばインドネシアの島々、ニューギニア島やカリマンタン島、ジャワ島などは実は日本列島がすっぽり入ってしまうほど大きいんです。
そして大陸のど真ん中を赤道が通っているアフリカ大陸もメルカトル世界地図ではかなり縮小されています。
本当はめちゃめちゃデカいですからアフリカ!
今日はそんな赤道直下の大陸、「アフリカ」がメインテーマ。
アフリカと聞いて僕らがイメージするのは、"砂漠"や"原住民"そして"発展途上"や"貧困"ではないでしょうか...
僕らがアフリカに抱くそれらの観念は、はっきり言って20年前でフリーズしています。
今やアフリカは、欧米や東アジア並みの経済発展が進行していて、それに伴う数多のビジネスチャンスが燻っている最後のフロンティアとして注目されているんですね。
過小評価されているアフリカの魅力を深掘りしながらビジネスリテラシーを鍛えましょう!
キーワードは『リープフロッグ』。
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▼アフリカの基礎知識
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アフリカは南北約8000キロ、東西約7400キロもあります。
これがどのくらいの距離なのか...
日本からシアトルまでの距離が約7500キロだから、太平洋の向こう側までずっと大陸が続くと思っていただけると伝わりますかね。あまりの巨大さに呆れます。
大陸の中心部に赤道が通っているため、猛烈な暑さやジャングル、延々と続く砂漠をイメージしがちですが、内陸部は意外に標高が高く、年中「夏の軽井沢」です。
確かに砂漠やジャングルなど人間が住みづらいエリアも多いけれど、それらを取り囲むようにステップ(乾いた草原)やサバンナ(熱帯の草原)などに多くの人が暮らしてます。
人口分布は、北部のナイル川河口付近(エジプト)や地中海沿岸(モロッコ、チュニジア)、西部の大西洋に面したエリア(ナイジェリア、ガーナ、コートジボワール)、東部の内陸地(エチオピア、ケニア)、そして南部(南アフリカ)に集中しています。
そして驚くべきことにアフリカの中位年齢(0歳から順に並べてちょうど中間になる年齢)は19,7歳だそうです。若っ。
国の経済成長のピークと生産年齢人口はリンクすると言われてるので、これからのアフリカは間違いなく経済の大きな繁栄期を迎えるでしょう。
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▼日本は「答え」を知っている
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世界各国の「豊かさ」を計る指標として「一人当たりGDP]があります。
日本は約40,000ドル。世界3位の経済大国といえど一人当たりGDPでは世界20位以下なんですね〜。
韓国も20位代。最近韓国旅行に行かれた人は実感したと思うけど、もぅ昔ほど"安くない"んですね。
今はコロナちゃんのおかげで落ち着いているけれど、近年日本へのインバウンド(海外からの旅行客)が急増してきたのは、日本の魅力に世界が気付き始めたからでもなんでもなく、日本旅行がシンプルに"安く"なってきただけ。
国力が上がれば富裕層が増えると同時に通貨が強くなる。そうすると経済成長が止まっている日本"円"が相対的に安くなります。世界一治安の良い「先進国」を手頃な値段でトラベルできるのなら御の字ですたい。
この「一人当たりGDP」は国の発展や国民のライフイベントを計る指標として非常に便利です。
例えば、今エチオピアでは公団住宅の抽選が人気だそうで、これは日本の60年代と非常に酷似しているんですね。
60年代はちょうど、多摩ニュータウンの開発や、新幹線、都市高速などのインフラ建設が本格化した時代。
そしてこの時代の日本の一人当たりGDPが、今のエチオピアと同じ1,000ドルラインなんですね。
この【一人当たりGDP1,000ドル】が経済成長の最初の大きな目安となります。
【一人当たりGDP1,000ドル】を超えると、おおよそ急激に都市化が進み、スーパーマーケットやショッピングモールの開業が始まり、中古車やバイクが普及してくる。土地の値段もこの辺りから高騰します。
日本だって、今でこそ「一人当たりGDP」は40,000ドルという世界でも指折りに豊かな国だけど、1960年代は1,000ドルにも満たなかったんです。
そしてその後の日本経済の急成長を追想すれば、エチオピアの行く末も推してしるべしたい。
さて次のポイントは「3,000ドル」ライン。
日本では1972年頃。
3,000ドルを超えると外食産業が勃興しがち。
「マクドナルド」や「すかいらーく」の初出店はこの時期です。
そして大型ショッピングモールもお目見えしがち。
日本で言うと、「ダイエー」が市場を席巻しましたね。
他にも3,000ドルを超えると、当時「3C」と呼ばれたカー、カラーテレビ、クーラーなどの新車や家電も売れ始めるタイミングです。
アフリカで3,000ドルラインに該当するのが、ナイジェリアのラゴス、国でいえばエジプトやモロッコです。
そしていよいよ最後のポイントが「1万ドル」ライン。
日本でいうと1980年頃。
消費文化が爛熟、多様化してきます。
「東急ハンズ」「渋谷109」「東京ディズニーランド」のおなーり〜。
1万ドルを超えると、こういった本格娯楽やエンタメにお金を使えるようになるんですね。
見落としてはいけないのが、「1万ドル」ラインでは海外旅行の活況にも弾みがつくことです。
ちょうど中国が国全体で1万ドルに届くタイミング。
コロナ前の爆発的な中国人インバウンドは記憶に新しいけど、コロナ後はその非ではない数の旺盛な観光客が押し寄せるでしょう。
ちなみにアフリカで1万ドルレベルに達しているのは、南アフリカの最大都市ヨハネスブルグと、石油資源を持つボツワナ、リビアです。
考えてみれば、日本は欧米以外で初めて近代工業化に成功した国。
そして、戦後植民地だったアジア各国は独立し次々と近代工業化を成し遂げて行きました。
アフリカも同じ軌跡を辿るのであれば、これから何が起こるのか、どこにビジネスチャンスがあるのか、日本人はその答えを知っているのかもしれませんね...
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▼アフリカの毛髪市場
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ここで理美容師らしく、髪についての余談を。
アフリカ人(黒人)の毛髪は、もちろん民族によって違いはあるけれど、基本的にはちゅるちゅるです。
というかチリチリのちゅるちゅるだ。もちろん女性も。
縮毛矯正は不可能なレベル。可能なのであれば現地で流行っているはずです。
だが意外にも現地の女性は、美容室に通うことが一種のステータスという価値観なのです。
一人当たりGDP3,000ドルのケニアの首都ナイロビの女性は、月に5,000円〜1万円を平気で使うんですね。
というのも、実はアフリカの女性は基礎化粧品をあまり使わないんですね。
最もオシャレに気を使うのが"髪"なのだそう。
では美容室で何をしているのかというと、パーマをかけたりカラーをする代わりに、「ブレード」と言って要は編み込んだ付け毛を装着したり、頭のサイズを測ってオーダーメイドのウィッグを作成したりするんですね。
そのため、アフリカではウィッグやエクステンションなどの髪関連商品の巨大市場が存在するんです。
現地の文化やニーズに合わせた美容室展開は面白いかもしれません。
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▼リープフロッグの衝撃
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「一人当たりGDP」が経済成長の目安になるとはいえ、"発展途上国の場合"は全てが階段を登るように順序よく成長するとは限りません。
というのも、途上国にはレガシーシステム(既得権益、岩盤規制)が少ないため、先進技術が一足とびに社会に広く浸透することが度々あるんですね。
これを『リープフロッグイノベーション』といいます。
例えばケニアでは成人の実に9割以上が既にスマホを持ち、モバイルマネーを使いこなしています。
あのマサイ族もばりばりスマホ使ってます。
ケニア通信キャリア最大手の「サファリコム」は、チャージした通話料が決済にも使えるサービスを提供していて、決済データをもとに与信能力が判断され、なんと借り入れ(ローン)もできます。
送金、決済、預金、運用、ローンと...つまりフルバンキングサービスを銀行ではなく通信キャリアが提供しているのだから驚きです。もちろん全てスマホで完結です。
だけどそれもそのはず、ケニアでは銀行口座を持っている人が全体の3割弱しかいないそうで、
でもだからこそ革新的なイノベーションが一気に普及するんですね。
『リープフロッグ』とは"蛙飛び"の意。
アフリカではこんなことが通信の世界だけではなく、金融、医療、物流などあらゆる分野で起こっているというんです。
アフリカ市場に参入することも視野に入れて引き続き学んでいきたいですね!
