子供の頃、車のナンバープレートの地名を網羅したくて、一日中国道沿いに立っていた中塚です。
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「距離」の捉え方
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父親が昔、長距離バスの運転手だったので、実家にはおのずと大量の地図帳(ロードマップ)があり、それをおもむろに眺めながら育ったせいか、距離と時間の間隔が人より妙に研ぎ澄まされています。
目的地がどんなに遠かろうが、所要時間の目算は概ね5分以内の誤差であることがほとんど...
もちろん数学の時間に習った、距離とスピードから所要時間を割り出す公式なんか覚えてません。
僕の中では、物理的な距離も、かかる時間も、同じ「距離」として捉えていて、
「近い」「遠い」は所要時間も含めた意味合いで認識しています。
余談ですが...地図に目がない少年だった中塚ですが、小学4年の時に学校から支給された地図帳は、卒業時には、ランドセルよりもボロボロになっていたとかいないとか。
同じ時期、親戚のおじちゃんのパソコンで初めて目にしたGoogleの衛生地図に少年は驚愕。
以来、Googleの地図を見てニヤニヤするのが趣味になったとかなっていないとか。
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「距離」4つの概念
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距離には4つの概念があるっぽいです。
①物理的距離
②時間的距離
③経済的距離
④感覚的距離
4つの距離を個別に分析したり、組み合わせて考えることが、重要だと思っています。
それぞれ分解してみると、
①物理的距離
僕たちが使う距離の概念として最もポピュラーな意味合いですね。
近年は、インターネットが物理的な距離を無効にした感があるけれど、一方で人々の移動は未だ自動車や鉄道、飛行機(拠点館移動)に頼り切っていて、ハードウェアとしての進歩は漸進的と言わざるを得ません。なので、人々がカジュアルに空を移動でもしない限り、物理的な距離を測定することにあまり意味はなさそうです。
②時間的距離
距離の概念として実装すべき感覚はむしろこっちで、移動することを前提とした距離の使われ方として相応しいですよね。
「東京から福岡」よりも「東京から島根」に方が遥かに遠いという考え方です。
また、有名な話ですが東京から一番遠い日本の国土は、同じ東京の「小笠原」だそうです。
③経済的距離
意外と見落としがちなのがこの概念。
目的地に到着するまでにかかる金額が高いほど遠く、安いほど近いと考えます。
これは本来ならば需要によって大きく変化するんだけど、交通路線はインフラを担っているので、需要のない路線でも簡単に廃止するわけにはいかず、運行コストとして料金を高く取らざるを得ない場合があり、やや複雑です。
また、一つの目的地までは、通常様々な交通手段があるけれど、不思議と概ね価格は一致しているんですね。おそらく各交通業界が空気を読んでいるのだと思います。
また、「経済的距離」は単なる移動にかかるコストだけではなく、
「目的を達成するまでのコスト」も含まれます。
例えば、「銀座の美容室」よりも「下町のパーマ屋さん」のは方が経済的距離は近いと言えますよね。
④感覚的距離
4つの距離の中で、ある意味最も重要な概念がこの「感覚的距離」だと思っています。
感覚的距離に照らせば、「東京」の向こうに「島根」があり、「アメリカ」の向こうに「カザフスタン」があります。それぞれ、後者の方が物理的な距離は近いにも関わらずです。
僕たちが知っている地図帳はどれも物理的な距離で描かれているけれど、少し頭を柔らかくして、「時間的距離」や、「経済的距離」、あるいは「感覚的距離」で地図を描いてみても面白いと思っています。
そしてこの4つの距離の概念を、店舗経営のマーケティングに応用できるよね...
という話を次回したいと思います。
