お正月も(お店)開ける!
とお客さんに宣言しまくって「カッコいいっすね!」となぜかヒーロー扱いされている中塚です。
年中無休の24時間営業と言いつつも当店は"自宅兼店舗"の"完全予約制"なので、実はそれほど負担は大きくないのです。
ただ、[年中無休の24時間営業]というキャッチフレーズは相当にインパクトがあるらしく、広告効果が絶大。
つまり負担<広告効果を取ったんですね。
かといって広告で気を衒(てら)うのと、気を衒った施策が広告になっているのとでは同じようで大きく違うと思っています。[24時間営業]は後者。
ほら、広告宣伝だとわかりきっている行為で気を衒われると、ともするとちょっと冷めちゃうじゃないですか?
わかりやすいのはインパクトや雰囲気が強いだけのテレビCMとか。
それでも何千万人に届くからそれなりの訴求力はあるんだろうけど、広告として"最良なもの"とは程遠い出来であることは素人目にも見て取れます。
一方で広告ではない施策が実は広告になっているパターンがあって、例えば企業の慈善活動や最近でいうとカーボンニュートラルを推進した環境対策もそう、製品やサービスのクオリティだってそうだし、顧客とのコミュニケーションから生まれる口コミも立派な広告です。
広告の姿をしていないステマ広告をいかに差し込むか。それが一番大事♪
ということで本題です。
最近、改めて理美容の仕事っていいよな〜って身に染みて感じるので、そのことを記事にします。
理美容の仕事は、アパレルや飲食と並んで低賃金長時間労働のイメージが根強いですよね。
実際に同業の理美容師さんたちはどちらかというと職人としてのプライドは持ちつつも、仕事としては「ろくなもんじゃねぇ」的な認識の人が多数...。
僕もどちらかというとそんなこんなで、自分の職業を自分で卑下するメンヘラ的思考に流されていました。
でも、自分でお店を作ってみて、「いやいや!そんな悪くないぞ!うん!っていうか、こんないい仕事なくね!?」と気付いて一人で興奮したんですね。
そこで、血気に流行った中塚が理美容と言う仕事の良いところをこれから羅列するから!
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▼髪はのびる
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まず伝えたい理美容業の利点として特筆すべきは、"不景気をもろともしない"という点。
ご存知コロナちゃんが猛威を振るった2020、21年。さまざまな業界、とりわけサービス業は軒並み業績低迷を余儀なくされました。
飲食のコロナ廃業は5万店や6万店とも言われています。
アパレルやエンタメ、宿泊なんかも大打撃です。
そんな中どうです?この2年間、「髪切ってないです〜。」という方いますか?
いたら手ぇあげてよ!
それどころか、自宅にいる時間が増えたせいで自分の姿を鏡で見る機会も増えたお客様が、白髪染めを所望しまくり売り上げが増えたサロンもあるってんだからもぅ左うちわやん!
そう.....髪はのびるんです。
コロナ禍で皆さん思い知りましたよね?
「やっぱ生活必需品は強ぇ〜!」って...。
散髪は衣食住に匹敵する必需品だ!
それはつまるところ、よっぽどの有事が起こらない限り、生活必需品である"散髪"の需要は崩せないという確証の裏返しでもあるのです。
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▼仕入れが無い
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コロナ禍で4回も発令された緊急事態宣言やGoToキャンペーンの影響で、各業界の業績はジェットコースターのように乱高下を繰り返しています。
言い換えれば凄まじく変動する需要に合わせて、調達から生産、物流、保管、配送、在庫管理、人事配置をコントロールしなければならず、オペレーションが混乱を極めていることは容易に想像がつきます。
そもそも僕たち消費者は、平素自分のタイミングでスーパーやドラッグストアに食材や日用品を買いに行ったり、あるいは自分のタイミングでスマホを開いてボタンひとつで料理や家電製品を届けてもらったりしていますが、商品が滞りなく手元に届くことの凄さと有り難さ、そしてその脆さをもっと理解すべきです。
そこには地味で泥臭い人々の"労働"か確実にあって、そうした誰かの仕事によって自分の生活が成り立っているのです。敬意を払えボケなす!
話はズレましたが...
要は世の中の消費財(商品)は、そのほとんどがサプライチェーン(供給までのプロセス)に組み込まれているので、必ず"仕入れ"というものが存在します。
仕入れとはこれ"支払い"と同義ですよね。
どうしても先にお金が出ていくんです...。
しかしどうだ!?
理美容のお仕事は基本髪を切ることです。言い方はアレですが、別に何も生み出していないのです。
つまり仕入れが存在しない!先にお金が出て行かない!
それどころか、現金収入!掛け値なし!
現役理美容師の方々は当たり前すぎてあまりピンとこないかもしれませんが、この「掛け値なしの現金収入」というものが、商売の世界でどれほど特殊で恵まれていることか...。
なかなか見落としがちですが、キャッシュフローの面でも理美容業は優位なのです。
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▼守られている
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理美容業の良いところ、まだまだあります。
皆さん、外資系の美容室って見たことありますか...?
思い当たリませんよね。日本の理美容店はほとんど日本人オーナーなんです。
これってなかなか珍しいことだと思うんです。他業界を思い浮かべてみてください。
飲食、アパレル、GMS(総合スーパー)、ホテル、エンタメ.....外資系だらけです。
実は日本の理美容業界は法律によって守られているのです。
日本国籍を持った者が国家試験をクリアしないとサロンで働くことはできません。
この規定が参入障壁となり、外資系のカンパニーは日本上陸に足踏みします。
それだけじゃありません。"日本の"大手企業も、理美容業界には絶対と言って良いほど参入しません。
なぜなら、"面倒臭い"から...。笑
大資本というのはその名の通り資金にものを言わせて儲かる業界には必ず参入するものです。
ROE(自己資本利益率)という、いわばどれだけ効率よく利益を出せるかを重視しますので、理美容室経営のように極めて属人的なビジネスには手を出さないのです。
仕組みやマニュアルを構築しづらい、逆に言えば個人が活躍しやすい業種、それが理美容業界なのです。
そしてどうしても対面での施術を必要とするので、シェアを食い合う構図にならない。
どんなヘアサロンでも、基本的にはせいぜい半径20km在住の人しかお客様になり得ません。
フォロワーや影響力がなくてもフェアに戦える業界なのです。
そして当然、AIやロボットには真似できない。
どうでしょうか?
理美容の仕事って最高だと思いません?
売り上げや利益が安定していて、出費が少なく、個人が活躍できておまけに現金商売。
他にも、夏は涼しく冬は暖かい環境であるとか、普段出会えないような著名人(お客様)とお話ができたりだとか、海外でも働けるだとか、もぅ書き切れないほどあるんです。いや〜最高かっ。
でも残念なのは、少なくない当の理美容師がそのことに気づいていない、あるいはクローズアップされる負の側面を真に受けて疑わないのです。
同じ仕事に従事して、最高だと思っている人もいれば、かたや最低だと思っている人もいる。どっちが幸せか、考えるまでもないでしょう。
自分の仕事を好きになってみよう。どんな仕事も必ず誰かの役に立っていて、尊重されるべきです。
自分の捉え方、受け止め方次第でどんな職業も輝くはず。
僕の好きな言葉を紹介して締めくくりにしたいと思います。
悲観は気分、楽観は意志。
