上皇陛下のモノマネを完璧にマスターしたはいいものの、披露する場所がないことに気づいた中塚です。
たくさんの新規のお客様に来ていただいて本当に嬉しい限りなんですが、ほとんどのお客様に訝しい目で問われるのが、「24時間営業ってなに?」...ということ。
「何人体制でやってるの?」と聞かれ、「一人でやっています。」と答えるもんだからいよいよドン引かれます。
しかも年中無休の24時間営業です。笑
でも事情を説明すれば、とりわけエキセントリックな所業でもなんでもないと思ってもらえるはずです。
それに、言ってしまえば「24時間営業」というのは、"キャッチフレーズ"ですから...。
ニュアンス的には「24時間対応」の方が正しいんですね。
でも「24時間営業」の方が言葉のインパクトが強いじゃない...?
実を捨てて名を取るずるい戦略っす。
驚いたお客様にはよく、「え〜寝てないんですか!?」と聞かれますが、えー...よく寝てます。
今日は「24時間営業」という破天荒な施策を打ち出すに至った3つの理由を、マーケティング的な視点も交えて公開します。
理由その①
【前店舗からの既存客がほぼ無く、新規開拓が求められるため】
通常、理美容師が独立する際はスタイリスト指名のお客様を引き連れて出店します。
ここで重要な点が、「既存の指名客」というのは言ってしまえば"確定している売上"です。
近年、サブスク(月額課金)が流行ってますが、理美容店の既存客も収益面だけを見ればそれと同じ性質であると言えます。
裏を返せば、毎月や隔月で来店してくださるお客様は、お店にとってめちゃくちゃありがたい存在だということです。
利益率を下げてもサブスクを採用する企業がありますが、それだけ「収益が安定していること」には価値があるからです。
僕は既存客のほとんどを、前のお店に残してきました。
理由はシンプルで、オーナーの立場に立ったときに、「お客さんを持ってかれるとイタい」からです。
後ろ足で砂をかけるようなマネはできないよな〜と、元来の"優しさ"や"男らしさ"がつい出ちゃった。
ひいては転ばぬ先の杖を無くした僕が、一人でも多くのご新規を獲得するために、24時間営業にすがったというのが一つ目の理由です。
理由その②
【自宅兼店舗の強みを活かすため】
スポーツでも受験でも出世競争でも商売でも、競合がひしめく中で秀でていくためには、"自分の強み"を活かしたほうがいいことは、誰もが気付いていることと思います。
でも気付いているだけで、理解していないことってたくさんあると思うんです。
例えば、大手資本は資金力に物を言わせて、フリーミアム戦略(無料でばら撒いて大衆に浸透したタイミングで有料化する)をとりますが、これも「資本力」という大きな大きな強み。
「金に物を言わせるなんてずるい!正々堂々と戦え!」と叫んでも、大手資本からしたら、「なんで?」と一蹴されるはずです。
違う競技に持ち込まない限り、勝ち目なんかありません。
スポーツの世界でも日本人が勝てる種目は、体重別の競技だったりしますよね。
制限の中では日本人の繊細さや熟達さの強みを活かせるからです。
では、「自宅兼店舗」の強みはなんでしょう...?
答えは、「自宅と店舗が同じ場所にある」です。笑
僕は2階の自宅から20歩くらいで職場に行くことができます。常にサロンにいるのであれば、わざわざ他のお店と同じような営業時間を定めて、自宅兼店舗の強みを殺す必要はないと判断しました。
そう言うと、「自分の時間が無くなるのでは?」
と、よく言われるんですが、自分の時間は要りません。笑
そのワケは『理由その3』にあるんですが、
と言いつつも、早朝と夜間は料金が加算される仕組みになっていることで予約は抑制されるので、ちゃんと自分の時間はあります。
つまり一言でまとめると、
「どうせ自宅(サロン)にいるんだから24時間対応したらいいじゃん」です。
理由その③
【事業拡大を目論んでいるため】
最大の理由が実はコレです。
正直、一人で24時間対応なんて愚の骨頂だと思っています。
そんなの何十年もできっこないし、まして歳をとってからは尚更。
この働き方改革時代において、僕ひとりだからできることであって、人を雇用する上では再現性のカケラもありません。クソだよ!こんなのぁ!
じゃあなぜそんな無茶をやるのか...。
海外のことわざに、「速く行きたきゃ一人で行け、遠くまで行きたきゃみんなで行け」
的な教えがあります。
事業拡大、つまり遠くまで行きたい僕には、後々必ず仲間が必要になってきます。
でも、出店のためにお金をほとんど使い果たしちゃったので、そんな余裕はありません。
だから、「仲間を迎え入れられるフェーズ」に"早く"到達できるように、今はひとりで走っています。
今までたくさんの理美容師を見てきましたが、本当に活き活きと働いている人は一握りです。
表面は鮮やに見えるものほど、水面下では足をバタつかせもがき苦しまなければならないこの理美容業界の慣習を大きく変えることに、僕の人生の中盤を使いたいと思っています。
僕は贅沢の類に興味はありません。
今以上大きな家に住みたいとも思わないし、車も軽じゃなかったらなんでもいいです。
美味しいものを食べなくてもいいし、ぁでも旅行は行きたいかな。
ある程度の年収を稼いでしまったら、それ以上はお金で幸福度が上がらないことも、なんか想像がつきます。
そんなことよりも、せっかく一生懸命励んできたこの"理美容"という仕事で多くの人の役に立つことこそが僕の本懐です。
結論、素寒貧の僕が事業拡大を成すためには、とにかく資金と実績が必要です。
今はとにかく速く目的地に到達したい。
そのためには一人でも多くのお客様にご来店いただきたい!
そのために24時間営業を敢行しております!!
あしからず!
